システム結合試験時に気を付けるべきことをまとめます.一般的なシステム結合試験で注意すべき事項ではなく,限られた時間の中で他社との間で実施する際に業務として成功させるための注意事項を記載します.
実体験に基づいて,良かったこと,こうすべきであったこと,を備忘録的に書いていこうと思います.
準備編
庶務
ここは会社によると思いますが,以下のようなことを予め準備すべき.
- スケジュール決定・通達
- 不自由事項がある場合に事前通達
- 来客者の飲食物
- 来客者の来訪方法確認・入場事前手続き
- 結合試験スペース予約
- 結合試験スペースの電源数
- 来客用ネットワーク配備
- 結合試験に必要な機器の予約
- 離席時の貴重品等管理方法確認
案外,来客が多い場合には電源数が不足することがあります.不自由させないためにも予め部屋の電源数を把握しておくのは大事です.
また,不自由事項がある場合に事前通達することは重要です.事前準備中で焦っている場合,ギリギリでの通達や通達事項漏れが出る可能性があります.予めチェックシート等を作製して,不足がある部分について通達するのがいいと思われる.
テストケース優先度付け
本来テストケースは全て通過させるべきですが,プロトタイプ開発等では全ての機能を保障する必要はありません.ここではそのような状況を想定しています.
作製済テストケースに想定時間と優先度付けを行いましょう.想定時間がスケジュール時間を超過する場合は,優先度付けを必須としましょう.なお,スケジュール内で終わる予定でも優先度付けを実施しておくことを推奨.途中で予期せぬバグ等は発生するものです.
優先度付けを行う際の観点は以下.
- テストケースの合否予見性
モック結合試験で成功している場合に,本番のシステム結合試験で成功する見込みがどの程度かということ.ロジックが単純で成功する見込みが高ければ,優先度は低く設定してよい - テストケースの重要度
システムにおいて,基幹をなすテストケースを優先度高として設定します.
実施時
上記で作成した優先度に基づいて実施していきます.
バグを発生したとき
まず落ち着く.何ならバグを見つけるためにテストしているので,見つかってラッキーというポジティブシンキングを忘れない.
- 臨時の対処でバグを回避可能か検証する
臨時の対処には,修正パッチを充てる等即座に修正可能か,簡易な設定・手順変更で回避可能か等を検証する.正確な仕様の修正は必要に応じて相談し,再決定する. - 残りのテストケースが実行可能か判断する
残りのテストケースへの影響を考慮します.優先度の高いテストケースが実施不可能になる場合は上記のバグ回避策に全力で取り組みます.優先度の低いテストケースが実施不可能なら,今回は影響軽微としてテストを続行します. - 必要なログを取得する
一番大事.後で実施するバグ修正のために必要なログを取得しましょう. - 先方にごめんなさいする
当然ですが,こちらのミスならごめんなさいしましょう.
予定時刻より遅れている場合
設定した優先度付けに従ってテストケースを実施していると思いますが,バグの発生等で状況が変わっている可能性があります.再度,優先度付けを再実施し,実施しておくべきテストケースを決定します.
時間が余る場合
時間が余ってきた場合には,以下を実施します.
- ダメ押し試験
挙動が不安定であったテストケース等を再試験する - 追加で実施すべき試験
今回の要求上は必要十分なのでテストケースからは排除されていたような,できれば追加で実施しておくべき安定性や異常系のテストケースを実施する
実施後
以下のようなことを決定します.
- 次回の結合試験日程
- 次回の実施項目の確認
- 今回発生したバグの確認
- その他質問・共有事項の共有
- ログのバックアップ